適切な介護施設を選ぶための
基礎知識を学ぶ

ひとくちに老人ホーム・介護施設と言っても、「小規模多機能ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「住宅型有料老人ホーム」「グループホーム(認知症認定)」など様々。
施設ごとの特長を知り、自分にあったホームを選ぶためのポイントをご紹介します。

希望条件を明確にする

どのような介護施設・老人ホームがあるのかを考えるより先に、まずご自身の希望条件を明確にしましょう。

1人で全部を抱え込んで施設を探そうと思ってしまう方もいますが、そんなことはありません。
あなたの周りには、老人ホームを探した経験がある友人・知人、弊社ような老人ホームや介護保険・医療に詳しい専門家、担当のケアマネジャー、支援相談員(ソーシャルワーカー)、地域包括支援センターなど、相談できる心強い味方がいます。そういった人たちの力を借りて一緒に探すという考えをもち、一人で抱え込まないようにしましょう。
そして、その相談相手と情報共有がきちんとできるようになる準備として、まずは、希望条件を明確にすることが大切なのです。

一般的な希望条件

①身体的な状況

まず何よりも一番大事なことが、ご入居を検討されているご本人様が介護サービスが必要かどうか、必要な医療行為があるか、認知症の症状はあるかなど、身体的状況を把握することです。遠方にお住まいで近況が詳しく分からないというご家族の方は、入院されている病院の担当のケアマネジャー様や支援相談員様に確認してみると良いでしょう。

②ご予算

貯金や毎月の年金はどのくらいですか?不動産収入は?金融資産は?入居費用や月額利用料金は施設によって様々ですが、月額費用が年金の範囲内で収まる人は多くありません。施設での生活に使えるお金がいくらあるのか把握し、ご自身の資産だけでなく、ご家族・ご親戚からの援助も視野に入れて予算を決めましょう。

③立地(エリア)

「生まれ育った地域で生活したい」「遠方に住む家族の近くに引っ越したい」といった場所の希望も整理しましょう。身の回りのことはある程度できる方の場合は、お店や公共施設などの周辺環境も踏まえて検討しましょう。介護や医療のケアが必要になってきた場合、面会に来られるご家族のご自宅から30分以内、どうしてもその範囲にご希望の施設がない場合は遠くても1時間以内の範囲を目安に探すと良いでしょう。

以上が代表的な希望条件として挙げられます。この他にも「レクリエ―ションが多いところが良い」「美味しい食事が楽しみたい」「喫煙所があるところが良い」など、ご入居されるご本人様の趣味や趣向で重視する条件も明確にしておくと、複数の施設から絞り込む際に役立ちます。

施設の種類を決める

希望条件が出揃ったら、次は入所する施設の種類を決めましょう。
老人ホームといえば、特別養護老人ホームを思い浮かべる方も多いと思いますが、ここでは特別養護老人ホーム以外にも代表的な老人ホーム・介護施設をご紹介します。

介護付有料老人ホームと
サービス付き高齢者向け住宅・住宅型有料老人ホームの違い

見守りや多くの介護サービスを必要とする方向け
介護サービスをあまり必要としない方向け

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、社会福祉法人や医療法人が運営している公的な施設です。費用が安いだけでなく、介護スタッフが24時間常駐しています。ただし、入居には条件があり、原則、要介護度が3以上の方しか入居できません。また、日中は看護師が常駐し、医師も非常勤で勤務していますが、夜間はいないので、病院と同様の医療処置はできません。その安さから非常に人気が高く、多くは入居が順番待ちとなっており、希望してもすぐに入ることはできません。

入居対象者

要介護3以上(原則)
自宅で一人で生活することが困難な方が対象です。

医療・介護体制

●介護スタッフ24時間常駐
●日中は看護師が常駐
医師は非常勤で勤務しているケースがほとんどです。

入居時費用

0円

月々の費用

10~15万円
(家賃、管理費、水道光熱費、介護サービスの自己負担分、医療費の自己負担分、嗜好品など)

ポイント

入居の順番待ちをしている方が全国で25万人以上もいるため、どの施設も満員のケースが多いです。そのため、特養に申し込んでおいて、有料老人ホームで順番を待つ方が年々増えています。
1日も早く入居したい場合は、複数の特養に同時に申し込むようにしましょう!

介護付有料老人ホーム

介護付有料老人ホームは、介護スタッフが24時間、日中は看護師が常駐している老人ホームです。そのため、食事、入浴、排せつなどの身体介護サービスから、掃除や洗濯などの生活援助サービスまで、幅広く受けることができます。
これらの介護サービスは、要介護度別の定額の介護保険料で必要な分だけ受けることができるので、終身利用でも安心です。また、施設によっては24時間看護師が常駐しているところもあり、夜間でも手厚い医療サービスを受けられるところもあります。

入居対象者

要介護1以上(原則)
一部、施設によって自立や要支援者を受け入れている施設もあります。

医療・介護体制

●介護スタッフ24時間常駐
●日中は看護師が常駐
24時間看護師が常駐している施設や、リハビリの専門職がいる施設もあります。

入居時費用

0〜2,500万円

月々の費用

10~30万円
(家賃、管理費、水道光熱費、介護サービスの自己負担分、医療費の自己負担分、嗜好品など)

ポイント

介護付き有料老人ホームは配置基準というものが法律で定められており、高齢者3人に対して1人の職員を配置しなくてはいけません。ただし、食事や入浴などの人手がたくさん必要な時間に多く配置して、深夜帯は少人数で対応しているところが一般的です。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、自立から要支援、要介護の方まで幅広く入居できる老人ホームです。ただし、提供されるサービスは、食事、生活援助、緊急時の対応のみで、医療や介護サービスは全て外部の事業者に委託しています。そのため、住宅型は介護付き有料老人ホームよりも比較的、介護度の低い方が対象になります。
最近では、居宅介護支援事業所や訪問介護の事業所を併設しているところも増えており、手厚い医療・介護サービスを受けられる施設も増えています。

入居対象者

●自立、要支援1~2
●要介護1~5
自分でできることが多い方、必要なところだけ助けて欲しいという方にオススメです。

医療・介護体制

外部のサービスを利用
提携している介護事業所や医療機関のサービスを利用します。施設によっては同一法人が外部サービスを運営しているところもあるので必ず確認しましょう。

入居時費用

0〜2,500万円

月々の費用

10~30万円
(家賃、管理費、水道光熱費、介護サービスの自己負担分、医療費の自己負担分、嗜好品など)

ポイント

自立、要支援の方や比較的要介護の低い方が多いので、レクリエーションやイベントが充実している施設がたくさんあります。囲碁や将棋、華道や茶道といった本格的な習い事などを提供し、特徴を出している施設も多いです。入居者同士でコミュニケーションを取りながら楽しく過ごすことができます!

グループホーム

グループホームは、認知症の方を対象とした施設です。入居者が共同生活を送りながら、それぞれの能力に応じて料理や掃除などをこなし、自立に近い生活を送ることができます。
定員はユニットという9人1組の単位で設定しています。これには、認知症の方が新しく出会った人や、これまでにないものを覚えることが困難なため、少人数で生活することで、顔と名前が分からないという混乱を減らす狙いがあります。認知症に配慮した生活環境を作ることで、進行を抑えることが可能です。

入居対象者

●要支援2以上
●認知症の方
グループホームの所在する市区町村に住民票がある方に限られます。

医療・介護体制

介護スタッフが24時間常駐
介護付き有料老人ホームと同じく3:1の介護スタッフの配置基準があります。医師や看護師は基本的には常駐していません。

入居時費用

0〜100万円

月々の費用

10~20万円
(家賃、管理費、水道光熱費、介護サービスの自己負担分、医療費の自己負担分、嗜好品など)

ポイント

有料老人ホームでも認知症の方は入居できますが、グループホームは認知症に「特化」した施設なので、介護スタッフが認知症の対応や理解に明るいというのが特徴です。施設によっては専門の研修を実施しており、認知症の方には、とても過ごしやすい環境になっています。

サービス付高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、正確には老人ホームではなく、高齢者向けの賃貸住宅になります。基本的には、安否確認と生活相談サービスの提供が義務付けられているだけなので、比較的元気な高齢者が、自由度の高い生活を送ることができます。
また、介護・医療サービスの利用を検討するときには、専門家が相談に乗ってくれるので、介護の頻度や内容を考慮した解決策を教えてもらえます。介護サービスが必要になったときには、外部の業者に委託して必要な分だけ受けることができます。

入居対象者

●自立
●要支援1~2
●要介護1~5 ※要介護度が高いと断られる場合もあります。

医療・介護体制

外部のサービスを利用
基本サービスは、安否確認と生活相談だけなので、医療・介護スタッフが常駐しているわけではありません。

入居時費用

0〜100万円

月々の費用

10~30万円
(家賃、管理費、水道光熱費、介護サービスの自己負担分、医療費の自己負担分、嗜好品など)

ポイント

自立、要支援の方から入れる施設ですが、要介護度の高い方や医療依存度の高い方が入れる施設も少なくありません。これを見極めるにはサービス付き高齢者向け住宅にどんな事業所が併設されているかに注目しましょう。訪問看護事業所が併設している場合は医療サービスが手厚いところが多いです。

施設見学、比較・検討

希望条件と照らし合わせ、どの施設の種類がご自身に合っているか検討したら資料等を取り寄せ、いよいよ施設を実際に見学して比較・検討をします。最初から1つに絞らず、複数の施設を見学するのが良いでしょう。

<見学する際の注意点>

  1. 予約無しでの見学は基本的にはしない
  2. 見学予約の際に、事前に聞きたいポイントを伝える
  3. 老人ホームの担当者からの質問には素直に答える

また、実際に見学する際にチェックしたいことは多く、一般の方が限られた見学時間の中で施設の良し悪しを見抜くのは非常に難しいため、弊社のような老人ホーム・介護施設の紹介センターやケアマネジャー、ソーシャルワーカー等の老人ホームや介護保険、医療に詳しい専門家に見学の同行をしてもらうことをオススメします。同行してもらうことが難しい場合は、最低限次にあげる項目をチェックして、見学、比較・検討し、入所する施設を決めましょう。

見学時のチェックポイント

  1. 必要な医療行為や気になる医療行為の対応の仕方について
  2. 夜間の勤務人数、スタッフの待機場所、緊急時の対応方法
  3. レクリエーションの頻度や内容
  4. 食事の提供場所、治療食等の対応レベルと別途料金の有無
  5. 外出や散歩は週に何回程度できるのか
  6. 個別のリハビリ対応が可能かどうかと、その頻度
  7. リハビリを対応してくれるのは誰なのか
  8. パンフレットに載っている利用料金以外にかかる料金と合計の概算額
  9. 認知症の方への接し方について
  10. すでに入居されている方の表情は明るいか
  11. 職員が生き生きと笑顔で働いているか
  12. 汚物などの異臭はしないか
  13. 施設内の温度は適温か
自分で探すのは難しそうと思われた方へ

ご家族に介護が必要になったり、病院の退院期日が迫っているような状況等で、老人ホームや介護施設を探すのは誰しも不安になるもの。そのような気持ちに余裕がない状況下で「思っていたのと違う」施設を選んでしまう方も多くいらっしゃいます。実際、福山市及びその周辺だけでも1,000以上の老人ホームがあり、1つ1つ特徴が違うだけでなく、入居のための条件も様々です。
自分一人で老人ホームを探すのに少しでも不安を感じられた方、誰かに相談しながら探したいと思われた方は、弊社に限らずお近くの老人ホーム紹介センター様や、ケアマネジャー様、支援相談員様、地域包括支援センター様等にご相談ください。

私たち「りんどうの家」は、エリアを限定することで老人ホーム1つ1つの詳細な情報を把握しております。老人ホームをお探しの際に、何か少しでもお困りのことがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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