お金は生活するうえで切り離すことができないものです。それは施設に入居しても変わることはありません。
使い慣れた日用品を新調したり、古くなった服の代わりの服を購入することもあるかもしれません。
その他にも、欲しい物が出てくることでしょう。
自立している人であれば、入居後もこれまで通りご自身でお金の管理を行えますが、認知症の症状がある人ではこれまで通りというわけにはいきません。
そこで今回は「認知症の症状があり施設に入居。今後の現金管理は誰が行うのか」についてご紹介します。
■現金管理の考え方
入居する施設によって現金管理の考え方は異なります。
【持ち込みOKな施設 】
本人が管理できる状態であれば、現金・貴重品の管理はご自身で行うのが基本です。
但し、認知症などの理由からご自身での管理が難しい場合は以下の管理方法があります。
- 家族や親族、その他の信頼できる人が管理を行い、施設は管理しない
- 現金(通帳も含む)・貴重品を施設が預かり管理する
- 数万円を施設に預ける「預り金」を用意し、欲しい物はそこから購入する
- 多額の現金や高価な貴重品の持ち込みはNG(小銭のみOK)
入居予定の施設がどちらの方法で管理されているのか確認しましょう。
*施設で管理する場合、月々1,000円程度の管理サービス費が別途必要になるケースもあります。
施設では「現金・貴重品紛失などのトラブルについては一切責任を負いません」といった文言の規定が重要事項説明書に記載されています。
【持ち込みNGな施設 】
現金・貴重品の持ち込みは原則NGという施設もありますが、生活していれば必要と感じる物が出てくるもの。欲しい物があった場合に施設が立て替え購入し、毎月の入居費用請求時に上乗せする方法を取っている施設もあります。
■なぜ現金・貴重品持ち込みNGなのか
現金・貴重品の持ち込みが可能な施設がある一方、現金・貴重品の持ち込みを原則禁止している施設もあります。
持ち込みをNGにしている理由には金銭トラブルの回避があげられます。
【実際の金銭トラブル】
- 施設が預かっていた現金の収支が合わず、職員が補てん
- 入居者のお金の使い方にご家族から施設にクレームがあった
- 他入居者が居室を間違え、現金・貴重品を持ち出した
- 居室内の金庫の鍵を入居者が紛失
■現金管理を施設に任せすぎない
現金・貴重品の持ち込みが可能な施設でもこれらの管理を施設任せにせず、ご家族も一緒に管理する気持ちでいましょう。
施設訪問時には生活の様子を確認すると同時にお金の使い方も確認できると安心です。
少額であっても手元に現金があることは本人にとって施設の外との繋がりにもなります。入居者が自分らしく安心して生活が送れるよう、ご家族も施設スタッフと共に向き合うことが大切です。
■早めに専門家に相談しよう
現金・貴重品の持ち込みがNGの施設であっても生活していく上でお金は必要です。
持ち込みがNGの場合や家族が遠方で管理できないなど安心して専門家に任せたい場合は、
外部の行政書士、司法書士や弁護士に相談・別途契約する方法があります。
認知症と診断される前に専門家と「財産管理委任契約」を結ぶことで施設に負担をかけず、現金・貴重品の管理が可能となりご家族も安心です。
ほかに、成年後見人制度の中に判断能力があるうちに利用できる任意後見という制度もあります。
また認知症と診断されてしまったあとでしたら、法定後見人制度を利用します。
いずれもはやめに専門家に相談されるのがいいでしょう。
■まとめ
現金・貴重品の持ち込みについてはご家族の判断で進めるのではなく、現金持ち込み対応の可否・管理方法を施設に確認しましょう。
持ち込みが可能でも管理方法は施設によって異なります。
施設管理の場合もあれば、ご家族や親族・その他の信頼できる人が管理を行い、施設側は管理しない場合も。
生活をする上で、お金は切り離すことのできないもの。いずれにしても管理は必要不可欠です。
施設で管理できない場合は専門家と契約し、管理をお願いすることを視野に入れてもいいのかもしれません。
「福山・備後の老人ホーム・介護施設紹介センターりんどうの家🏠」では、見学同行を行っています。
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