高齢になると食べる力や飲み込む力が弱くなり、今まで楽しかった食事の時間が辛くなってきてしまうことも…
介護食ではそういった人たちが少しでも安心した気持ちで食事をできるように、食べる人1人1人の食事状況に寄り添った調理方法(食材サイズ、食材の硬さ)を行っています。
今回は「介護食を調理する際の注意点」についてご説明します。
■種類と特徴
4つの種類と特徴は次の通りです。
1- やわらか食
→ 食材を口の中で簡単に潰せるくらいまで煮込んだり、ペースト状にした食材をもう一度固め直した状態の食事を言います。
食べる人の咀嚼(そしゃく)力・嚥下(えんげ)力に合った硬さに調節し、通常の食事と同じ見た目・味を再現できるのが特徴。
※嚥下(えんげ)‥食べ物を口の中で細かく噛み、飲み込み食べる口の動作を言います。
2- きざみ食
→ 2~5mm大に食材をカットして作った食事のこと言います。
人によって噛む力が弱く、飲み込みにくさ感じることもあるため、食べる際は誤嚥(ごえん)しないよう注意が必要となります。
他には、食べる人の唾液量が少ない場合にはとろみ剤を利用したり、食材をカットして食べやすいように調整しています。
3- ミキサー食
→ 一度完成した食材と出汁などをミキサーに入れてトロトロにした食事のことを言います。
ミキサー食では視覚から食事を楽しむことは難しいのが欠点です。ですが、飲み込むことが難しい人でも、味覚や香りから楽しむことができます。
4- ゼリー食
→ ジュースや味噌汁などの液体類全般やトロトロの状態であっても、むせてしまい飲み込むのが難しい人には誤嚥(ごえん)を防げるようゼラチンや寒天をミキサー食にプラスし、口当たりのいいゼリー状に加工してする方法です。
■調理での注意点
注意点は以下の通りです。
1- やわらか食について
【調理の際の注意点】
- プリンくらいまで滑らかにする
- 力を入れず崩れる程度に煮込む
- 野菜:しっかりと皮をむき、繊維とは直角にしてカット
- 肉・魚:脂身有りを選択
- 骨:全て取り除く
- 赤身:叩き柔らかくし、スジは危険なためカット
- ひき肉・魚のすり身:つなぎを使用する
【やわらか食に適した人】
- 嚥下(えんげ)力が弱くなった
- 咀嚼(そしゃく)力が弱くなった
2- きざみ食について
【調理の際の注意点】
- 食べる人の唾液量によってとろみをプラスする
- 食材サイズを調整
【きざみ食に適した人】
- 嚥下(えんげ)力が維持されている
- 咀嚼(そしゃく)力が弱くなった
3- ミキサー食について
【調理の際の注意点】
- ケチャップくらいまでトロトロにする
- 出汁などを使用する
- ミキサーを使い裏ごしする
- とろみを加える
【ミキサー食に適した人】
- 嚥下(えんげ)力がとても低い
- 咀嚼(そしゃく)力はほとんどない
4- ゼリー食について
【調理の際の注意点】
- さらさらしたゼリー状に加工
- 口当たりよくする
- 卵豆腐・プリンなどは加工なしでOK
【ゼリー食に適した人】
- むせや誤嚥(ごえん)を起こす可能性がある
- 嚥下(えんげ)機能に重度の障害がある
■まとめ
人が生きていくためには食事は命の源であり、なくてはならないものです。しかし、歳を重ねると食事が取りにくくなってしまうことがあるのも事実です…
そんな人たちが介護食を食べで食事時間が辛いだけの時間にならないよう、食事をする1人1人に寄り添った調理を行っています。
種類ごとの注意点をしっかりと知った上で、安心安全な食事の時間をお過ごしください。
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